読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

『村上海賊の娘(一)』和田竜

 

村上海賊の娘(一)(新潮文庫)

村上海賊の娘(一)(新潮文庫)

 

 2014年の本屋大賞受賞作。なるほど確かにおもしろい。歴史小説はあまり読んでは来なかったのだけれど、この「村上海賊の娘」であるところの景姫の豪快さと活発さは今まで歴史小説に抱いていたキャラクタの硬さを打ち砕くものがあった。兄者に怒られることをめちゃくちゃ気にしているところとか、「ああ、人なんだなぁ」と。

 この「人なんだなぁ」というのは、景姫のように「豪快な性格の女性」の典型を地で行くようなキャラクタが放り込まれていることによって、歴史小説の読みやすさ(受け入れやすさ)が増しているからこそ感じるのかもしれない。歴史の人物(髷を結っている歴史上の人々)がどうも遠くに感じてしまっていた。それこそ坂本龍馬土方歳三だって、「わかるなぁ」「人なんだなぁ」と自分と地続きである人間という感覚がなかった。その点、この『村上海賊の娘』は軽さがあるのかもしれないけれど、ぐいぐい読ませていくものがある。

 しかし冒頭に出てくる孫市はこの後どう再登場するのだろう。

広告を非表示にする